情シス業務のアウトソーシングは可能?メリット・デメリットや外注しやすい業務は?

法人にとって情報システム部門は、IT戦略の策定やITインフラの構築・運用などを担い、企業を支える重要な存在です。一方で、情シス業務はIT知識が求められ、人材育成など自社での運用が難しい側面もあります。
そこで検討したいのが、情シス業務のアウトソーシングです。
今回は、情シス業務のアウトソーシングについて紹介します。最後まで読めば、「メリット・デメリット」や「外注すべき業務」がわかりますので、ぜひご覧ください。
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情シス業務をアウトソーシングするメリットは?外部委託が行われる4つの理由
情シス業務のアウトソーシングは、以下のメリットがあります。
- IT人材を安定して確保できる
- 属人化を防ぎ、業務をマニュアル化できる
- 採用、育成コストが抑えられる
- 自社が得意な業務に人員を割ける
1. IT人材を安定して確保できる
企業が自社でIT人材を育成することは難しく、大きな経営課題です。
育成が難しい理由は、社内の情報システムを適切に運用するために、高度なIT知識が求められるからです。
また、経済産業省が発表したIT人材需給に関する調査(2019年3月)では、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
こうした状況から、今後ますますIT人材の確保が難しくなるでしょう。
アウトソーシングを活用すれば、必要なときにスキルを持った人材を柔軟に確保できるため、安定したIT運用が可能になります。
2. 属人化を防ぎ、業務をマニュアル化できる
情シス業務を一部の担当者に任せると、業務内容が見えづらくなり、ブラックボックス化するリスクがあります。
特に中小企業では情シス担当が少人数に限られ、病気や退職などで不在になると、社内のIT業務が滞るおそれがあります。
アウトソーシングを活用すれば、引き継ぎが難しい業務も対応し、IT業務のブラックボックス化を解消します。
業務の流れを整理しマニュアル化を進めることで、継続的なIT運用体制の構築ができるでしょう。
3. 採用・育成コストが抑えられる
IT人材の確保には多くのコストがかかります。
求人広告の掲載費や面接対応、入社後の研修など、さまざまな費用と労力が発生するからです。
情シス業務のアウトソーシングは、こうした採用・育成にかかる負担を削減できます。
外部の専門業者に任せることで、必要なスキルを持つ人材を活用できる点は大きなメリットです。
4. 自社が得意な業務に人員を割ける
情シス部門は、開発や営業と異なり、直接的に利益を生み出さない間接部門です。
そのため、コスト部門と見なされ、十分な人員や予算を割けない企業も多く存在します。
情シス業務をアウトソーシングすれば情シス部門への人員が抑えられ、開発・営業など利益を生み出す直接部門に人員を割けます。
その結果、競争力の向上や事業の成長につながり、より大きな利益を生み出せるでしょう。
情シス業務をアウトソーシングするデメリットは?確認すべき3つの注意点

情シス業務をアウトソーシングする場合は、注意すべきデメリットもあります。
- セキュリティインシデントのリスクがある
- 契約外業務に柔軟に対応できない
- 自社にノウハウが蓄積されない
1. セキュリティインシデントのリスクがある
アウトソーシングが原因で、情報漏洩などのセキュリティインシデントにつながるケースがあり、注意が必要です。
情シス業務をアウトソーシングする場合は、委託先のセキュリティ対策を十分に確認し、監督できる体制の構築が必要です。

2. 契約外業務に柔軟に対応できない
アウトソーシングは委託契約に基づいて行われるため、契約書に明記されていない業務には柔軟に対応できません。
そのため、トラブル対応など予測が難しい突発的な業務は、契約外と判断されることがあります。
追加で業務を依頼する場合は、別途費用が発生したり、契約の更新が必要になります。
こうした事態を防ぐには、契約時に業務内容をあらかじめ確認し、委託業務に柔軟性を持たせることが大切です。
3. 自社にノウハウが蓄積されない
情シス業務を委託業者に任せきりにすると、手順や対応内容が社内に共有されず、ノウハウが蓄積されにくくなります。
そのため、仮に委託業者との契約が終了した場合、自社で運用が継続できなくなるおそれがあります。
こうしたリスクを避けるためには、業務内容のマニュアル化も委託することをおすすめします。
たとえばPC設定であれば、設定手順をマニュアルとして残し、誰でも同じ作業ができる仕組み作りを業者に依頼しましょう。
IT戦略やDX推進はアウトソーシングに不向き
情シス業務の中でも、IT戦略の策定やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進などのコア業務は、アウトソーシングに向いていません。
これらの業務は、単なるオペレーション業務ではなく、現場や経営層と密接に連携しながら進める必要があるからです。
たとえばIT戦略は、企業の目標や事業全体の方向性を把握したうえで判断する必要があり、自社の事情に精通した情シス職員が欠かせません。
またDX推進は、現場との信頼関係や調整力も求められるため、外部の人間がプロジェクトをリードすることは困難です。
このように、コア業務は社内対応が基本となるため、アウトソーシングに適した業務を見極めることが重要です。
アウトソーシング可能な情シス業務とは?代表的な業務4選

情シス業務をアウトソーシングする場合、成果を出しやすい業務があります。代表的な業務は以下の4つです。
- ヘルプデスク、社内問い合わせ対応
- ITインフラの構築、運用
- IT機器の設定業務
- IT機器の適正な処分業務
1.ヘルプデスクや社内からの問い合わせ対応
アウトソーシングの中でも、効果が出やすい業務のひとつがヘルプデスクや社内からの問い合わせ対応です。
情シス職員が日常的に多くの時間を割いているうえ、内容がマニュアル化しやすいため、外部に委託しやすい業務となります。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社による調査では、2024年時点で約半数の企業が、情シス業務のうちヘルプデスクが占める割合を20%以上と回答しています。
情シス職員にとってヘルプデスク対応への負担は大きく、アウトソーシングの効果が期待できるでしょう。
参考:情報システム部門の担当者の6割以上が社内ヘルプデスク業務の負荷を実感|キヤノンマーケティングジャパンによる調査
2.ITインフラの構築・運用
サーバやネットワークなど、ITインフラの構築・運用もアウトソーシングに適した業務です。
これらの業務は専門的な知識と経験が必要であり、非IT人材が対応するには負担が大きく、時間もかかります。
その点、経験豊富な外部業者であれば、安定したインフラ環境を効率よく整備できます。
IT人材の確保が難しい企業にとって、ITインフラ関連の業務をアウトソーシングすることは有効な選択肢となります。
3.PCなどIT機器の設定業務
PCの設定やIT機器の管理も、アウトソーシングに適した業務のひとつです。
PCのセットアップ、OSのアップグレード、保守・交換など、定型的な作業が情シス業務には多く含まれます。
こうした定型業務は、マニュアル化しやすく、外部業者に引き継ぎやすい点が特徴です。
そのため情シス職員の負担軽減が図りやすく、アウトソーシングを活用しやすい業務といえるでしょう。


4.IT機器の適正な処分業務
IT機器の処分は、情報漏洩リスクや作業労力が大きく、アウトソーシングに向いている業務です。
HDDやSSDなどの記憶媒体は、機密情報が残っていることが多く、処分方法を誤ると情報漏洩につながる恐れがあります。
安全に処分するには、物理破壊やデータ消去などの専門的な対応が必要であり、不慣れな従業員による作業は非効率です。
そのためIT機器の処分は、経験を積んだ専門業者に任せると安心です。

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