法人パソコンの入れ替え(リプレイス)時にやることは?データ移行から処分まで徹底解説

法人で利用しているパソコンは、業務の中核を担う大切なIT資産です。パソコンの動作が重くなったり故障が見られたりするようになったときは、パソコンの買い替え(リプレイス)を検討しましょう。
法人パソコンを買い替えるときは、消失や漏えいのリスクからデータを守るために、しっかりとした事前準備と買い替え後の作業が大切です。
今回は、法人パソコンを買い替えするときにするべき準備や、買い替え後に行うことなどをご紹介します。
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パソコンの買い替え前にやるべき準備
法人パソコンの買い替え(リプレイス)を行う際は、以下2点を実行したかチェックしましょう。
- データのバックアップ
- 有料ソフトのライセンスの確認
ここでは、それぞれの事前準備の手順や必要な理由などを解説します。
1. データのバックアップ
まず、必ずデータのバックアップを取っておきましょう。
法人パソコンには、自社データに加えて顧客データも入っています。
もしパソコンの買い替えとともにそうしたデータが失われると、業務が滞るだけでなく顧客との信頼関係にも影響が出るでしょう。
バックアップを取っておくと、データ移行が万が一うまくいかなかったときでも、データを復元できます。
なお、もとのパソコンのデータをすべてバックアップすると大容量となり、時間がかかるケースも少なくありません。
今後のことも考えて使わないデータは削除してからバックアップするとよいでしょう。
バックアップをする方法は、主に以下の4つです。
- 社内サーバーやNASへの保存
- 外付けHDD/SSDやUSBメモリに保存
- 専用のバックアップソフトを利用
- クラウドサービスに保存
外付けの記録媒体に保存する場合は、HDDやUSBなどバックアップしたい媒体をパソコン本体に接続します。
その後、パソコンのバックアップ設定から媒体を指定し、保存すれば完了です。
専用のバックアップソフトを利用する際は、バックアップしたい内容に応じたものを選びましょう。
パソコンの買い替えにともない選定したデータをすべてバックアップしてから移行する場合は、フルバックアップに対応しているものがおすすめです。
クラウドサービスでは、外付け媒体やソフトを購入せずにバックアップができます。
ただし、オンライン上のサービスのため、顧客情報を始めとする自社の機密情報のバックアップ先には適しません。
重要でないデータを一時的にバックアップするなら、使用してもよいでしょう。
2. 有料ソフトのライセンス確認
有料ソフトのライセンスは、1つにつき1台など使用台数の制限が設けられています。
ライセンスの確認をせずに買い替えると、新しいパソコンでそのソフトが利用できなくなる場合があるため、注意しましょう。
多くのソフトウェアでは「ライセンス解除」が可能で、解除後に新しいPCへライセンスインストールが可能です。ただ、ソフトによっては、一度パソコンにインストールすると別のパソコンへ使いまわせないケースもあるので、確認が必要です。
引き継ぎできるソフトの場合は、パスワードやライセンスキーがあればメモしておきましょう。
また引き継ぎの手順はソフトにより異なるため、公式サイトや説明書で確認します。
これらの項目を確認の上、スムーズなPC移行を進めましょう。
パソコンの買い替え時にやること

法人パソコンの買い替え準備が終わり、新しいパソコンが届いて設置したら、まずはデータ移行とセットアップが必要です。
データ移行やセットアップは、基本的に時間がかかります。
人員と時間を確保する必要があるため、買い替えが決まった時点でスケジューリングしておきましょう。
計画を立ててから移行作業にかかることで、通所業務への影響を最低限におさえられます。
1. データ移行
データ移行をする際は、まずOSをセットアップしましょう。パソコンの言語や基本設定をOSで行うことで、その後のデータ移行をスムーズにできます。
次に、バックアップデータを外付け記録媒体に保存していた場合は、新しいパソコンにその媒体を接続しましょう。
外付け記録媒体を使用せずに、LANケーブルで直接新旧のパソコンをつなぎ、移行することも方法の1つです。
ファイル量が多い場合、外付け記録媒体を経由するよりも早くデータ移行が完了するでしょう。
その後、セキュリティやそのほかの設定のセットアップを行います。法人パソコンのデータ移行については、こちらの記事もご参考にしてください。

データ移行の具体的な方法【3つの手段を比較】
法人パソコンのデータ移行には、いくつかの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、移行するデータの量やセキュリティポリシーに合わせて最適な手段を選びましょう。
ここでは、法人のパソコン入れ替えでよく使われる3つのデータ移行方法を比較しながら解説します。
方法①:外付けHDD/SSDを使った移行
外付けHDD(ハードディスク)やSSD(ソリッドステートドライブ)を使う方法は、法人のデータ移行で最も広く利用されている手段です。
旧パソコンに外付けストレージを接続してデータをコピーし、次に新しいパソコンに接続してデータを移す、というシンプルな流れで完了します。
メリット
- インターネット環境がなくても作業できる
- 大容量データ(数百GB〜数TB)もまとめて移行可能
- 物理的に手元で管理できるため、データの外部流出リスクを抑えやすい
デメリット
- 外付けストレージの購入費用がかかる(ただし、社内に1台あれば複数名の移行に使い回せる)
- データ量が大きい場合、コピーに数時間かかることがある
- 移行完了後、外付けストレージ内のデータを確実に消去する必要がある
法人で利用する際のポイント
法人パソコンには取引先情報や経営データなどの機密情報が含まれるため、外付けストレージの取り扱いには十分な注意が必要です。
暗号化機能付きの外付けSSDやUSBメモリを選ぶと、万が一の紛失・盗難時にも情報漏えいリスクを低減できます。また、移行が完了したら外付けストレージ内のデータは速やかに消去しましょう。
セキュリティポリシーでUSBデバイスの使用が制限されている企業では、次に紹介するLANケーブルを使った直接接続やクラウドストレージの活用も検討してください。
方法②:クラウドストレージを使った移行
OneDriveやGoogle Drive、Dropbox Businessなどのクラウドストレージを使う方法も、データ移行の選択肢の1つです。
旧パソコンからクラウドにデータをアップロードし、新しいパソコンでクラウドにログインしてデータをダウンロード(または同期)する流れになります。
メリット
- 外付けストレージなどの物理的な機器を購入する必要がない
- インターネット環境さえあれば、どこからでも移行作業ができる
- すでに業務でクラウドストレージを利用している場合、追加の手間が少ない
デメリット
- データ量が大きいとアップロード・ダウンロードに長時間かかる
- 無料プランでは容量に制限があり、大量のデータには有料プランが必要になる場合がある
- インターネット回線の速度によって移行時間が大きく左右される
法人で利用する際のポイント
クラウドストレージは便利な半面、法人においてはセキュリティ面で慎重な判断が求められます。
顧客情報や契約書、経営に関わる機密データなどは、社内のセキュリティポリシーでクラウドへの保存が禁止されている場合があります。クラウドを使った移行を行う際は、事前に情報システム部門やセキュリティ担当者に確認を取りましょう。
なお、Microsoft 365やGoogle Workspaceなどの法人向けプランでは、管理者がアクセス権限やデータ保持ポリシーを一括管理できます。個人向けの無料クラウドサービスと比べてセキュリティ機能が充実しているため、法人利用にはこれらの法人向けプランの活用が望ましいでしょう。
セキュリティポリシー上クラウドが使えない場合の代替手段
クラウドの利用が社内規定で認められていない場合は、以下の方法でデータ移行が可能です。
- 社内ネットワーク(LAN)経由の移行: 新旧のパソコンを同じ社内ネットワークに接続し、共有フォルダやファイルサーバーを経由してデータを移行します。外部にデータが出ないため、セキュリティ面で安心です。
- LANケーブルによる直接接続: LANクロスケーブルで新旧パソコンを直接つないでデータを転送する方法です。ネットワーク環境がなくても実行でき、外付けストレージを経由するよりも高速にデータを移行できるケースがあります。
- 暗号化対応の外付けストレージ: 前述の方法①で、暗号化機能付きのデバイスを使用します。
方法③:Windows標準の転送ツール・機能を使った移行
Windowsには、パソコン間でデータを移行するための標準機能が備わっています。追加のソフトウェアを購入する必要がないため、コストを抑えたい場合に有効な選択肢です。
Windows バックアップ(Windows 10/11)
Windows 10およびWindows 11には「Windowsバックアップ」機能が搭載されています。Microsoftアカウントと連携することで、デスクトップやドキュメントなどのフォルダ、Wi-Fi設定、一部のアプリ設定を新しいパソコンに引き継ぐことが可能です。
新しいパソコンの初期セットアップ時に同じMicrosoftアカウントでサインインすると、バックアップ済みの設定やファイルを復元できます。
PCの移行転送機能(Windows 11)
Windows 11では、新しいPCのセットアップ時に旧PCからファイルや設定を直接転送できる機能が追加されています。同じWi-Fiネットワーク上にある2台のパソコン間で、ファイルや一部の設定をワイヤレスで転送可能です。
メリット
- OS標準機能のため、追加費用がかからない
- Microsoftアカウントに紐づいた設定をまとめて引き継げる
- 初期セットアップの流れの中で移行作業を行えるため、手間が少ない
デメリット
- Microsoftアカウントとの連携が前提となるため、ローカルアカウントのみで運用している環境では利用しにくい
- アプリケーション自体の移行はできないため、業務ソフトは別途インストールが必要
- Active DirectoryやEntra ID(旧Azure AD)で管理されている法人環境では、ドメイン参加の設定が別途必要
法人で利用する際のポイント
法人環境ではActive DirectoryやMicrosoft Entra IDで端末を管理しているケースが多いため、Windows標準の転送機能だけでは移行が完結しないことがほとんどです。ファイルやブラウザの設定など、移行できる範囲をあらかじめ確認した上で、残りの設定はキッティング作業で対応しましょう。
3つの方法の比較表
| 比較項目 | 外付けHDD/SSD | クラウドストレージ | Windows標準機能 |
|---|---|---|---|
| コスト | ストレージ購入費 | 無料〜月額課金 | 無料 |
| 対応データ量 | 数TB対応可 | プランにより制限あり | ファイル・設定が中心 |
| 移行速度 | 高速(USB 3.0以上推奨) | 回線速度に依存 | Wi-Fi環境に依存 |
| セキュリティ | 物理管理が必要 | ポリシー確認が必要 | MS連携が前提 |
| 法人向きの度合い | ◎ 最も汎用的 | △ 機密データは要確認 | ○ 補助的に活用 |
いずれの方法でも、移行前にバックアップを取っておくことが重要です。万が一移行作業中にデータが破損した場合でも、バックアップがあれば復元できます。
2. キッティング
キッティングとは、企業や組織で使用するパソコンを、業務で使える状態に初期設定・環境構築する作業全般を指します。
法人におけるPC導入時やリプレイス(買い替え)時に、キッティング作業は非常に重要で、これを適切に行うことで「すぐに業務に使えるPC」を現場に届けることができます。
キッティングの内容は企業ごとに異なりますが、以下のような作業が一般的に含まれます。
1. OSの初期設定
WindowsなどOSのセットアップ
2. 業務ソフトのインストール
Microsoft Office、メールクライアントなどの業務用ソフトウェアや、社内専用アプリケーションのインストール。
3. ライセンスの認証・アクティベーション
4. ネットワーク設定
Wi-Fi/有線LANの接続設定
ファイルサーバや社内プリンタへの接続設定
5. セキュリティ設定
ウイルス対策ソフトの導入と有効化や、ファイアウォールやフィルタリング設定
6. アカウント・ユーザー設定
社員アカウントの登録(ローカルまたはドメイン)
ユーザーごとの権限設定、デスクトップ構成など
当社では、キッティング作業の代行も行っております。外部への委託をご検討であれば、下記ページよりご相談ください。

なお、データ移行とセットアップがすべて完了したら、買い替え前のパソコンのデータは完全に削除しましょう。
情報漏えいを防ぐためにも、データが消えたことを確認してから、不要になったパソコンを処分してください。
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法人パソコンの買い替えは事前準備をしっかり行ってから実行しよう
法人パソコンには機密情報が多く保存されているため、バックアップを始めとする入念な事前準備が重要です。
事前準備を怠ると、情報を意図せず削除してしまい、顧客との信頼関係に影響を及ぼす可能性もあります。準備をする段階で買い替え日のスケジューリングもしておくと、スムーズに作業が進むでしょう。
こうした事前準備をしっかり行うことで、業務への影響をできるだけおさえたスムーズなデータ移行やセットアップなどの作業ができるようになります。
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