SSDの完全なデータ消去方法とは?法人PC処分時の注意点

高速なデータ読込が可能で、利便性の高いSSDですが、データ消去はHDDよりハードルが高くなります。

結論としてSSDのデータ消去には、「ソフトウェアによる消去」「物理破壊」「コマンドによる消去」の3つの方法があります。
しかし、各方法には注意点があり、特徴を理解せずに実行すると、セキュリティ事故コスト増加の懸念も。

そこで今回は、SSDの「特徴」「データ消去の注意点」「データ消去方法」を解説します。
SSDのデータ消去を検討している方は、ぜひ最後まで読んでください。

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目次

SSDとは?HDDとの違いを解説

まずはSSDの特徴を解説します。

  • SSDとは
  • SSDのデータ消去は難しい!?HDD消去方法との違い

HDDとの違いを押さえましょう。

1.SSD(Solid State Drive)とは

 価格読込速度サイズ耐久性消費電力
SSD高い早い小さい壊れにくい低い
HDD安い遅い大きい壊れやすい高い

SSDとは、PCの記憶媒体として使われるものです。
以前は高価でしたが、PC市場への普及とともに値段が下がり、HDDに代わり主流となっています。
読み書き速度が高速で、耐久性や省電力性にも優れるため、法人用パソコンにも多く採用されています。

2.SSDのデータ消去は難しい!?HDD消去方法との違い

使い勝手のよいSSDですが、データ消去はHDDに比べて慎重な対応が必要です。
SSDとHDDのデータ消去を比較すると表のとおりです。

 物理破壊磁気破壊データ上書き消去
SSD△(細かい裁断が必要)×
HDD

それぞれの違いを詳しくみていきましょう。

①物理破壊ではより細かく砕けるクラッシャーが必要

SSDのデータチップは極めて小さく、確実な破壊には2ミリ以下に裁断できる装置が必要です。
HDDと同じ感覚で破壊すると、データが復元されるリスクが残るため注意が必要です。

②磁気消去ができない

SSDは電子的にデータを記録するため、HDDのように磁気消去ができません
法人で使用したPCの安全な処分を考える場合、この点は見落とされがちなので注意が必要です。

③上書き消去に工夫が必要

SSDには「ウェアレベリング機能」があり、上書きの命令を出しても物理的に別の場所に記録されるため、古いデータが残る可能性があります。
そのため、単純な「ゼロ書き込み」では不十分で、完全なデータ消去を行うには、SSDに適した消去方法が必要です。

なお、ウェアレベリングの具体的な内容は、「ウェアレベリングとフリーズロックへの対処が必要」にて解説します。

法人PCのSSDデータ消去をする際の注意点

SSDのデータを安全に消去するためには、いくつか押さえるべき注意点があります。

  1. ファイル消去や初期化(フォーマット)は復元される
  2. 暗号化は復元される
  3. ウェアレベリングとフリーズロックへの対処が必要

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.ファイル消去や初期化(フォーマット)では復元される可能性がある

ファイルを消去したり、初期化(フォーマット)しただけでは、データは完全に消えません。
これらはあくまで「消したように見える」だけで、実際にはデータがドライブ内に残ったままの状態だからです。
OSは消去時にデータを完全に消去するのではなく、「この領域は使っていい」とマークをつけるだけとなります。
よって、専用ソフトにより簡単に復元される可能性があります。

2.暗号化は復元される

暗号化も“消去”ではないため注意が必要です。
データを暗号化しても、実体としてのデータは残っており、鍵があれば復号されます。
また万が一、暗号に脆弱性が見つかった場合、保存されたデータが復元されるリスクがあります。
本当にデータを消したいのであれば、別の消去方法を選ぶ必要があります。
なお、暗号化がデータ復元される可能性があるのはHDDでも同じです。

3. ウェアレベリングとフリーズロックへの対処が必要

SSD特有の仕組みとして、「ウェアレベリング」と「フリーズロック」への対応も重要です。

①ウェアレベリング

ウェアレベリングとは、SSDの寿命を延ばすために、データの書き込み先を自動で分散する機能です。
これにより、同じ場所に繰り返し書き込まれるのを防いでいます。

しかしこの仕組みのせいで、上書きしても古いデータが別の場所に残ることがあり、完全なデータ消去が難しくなります。
そのため、安全にデータを消すには、ウェアレベリングに対応した消去方法を選ぶ必要があります。

②フリーズロック

消去コマンドを使ってSSDのデータを消去する場合は、フリーズロックにも注意が必要です。

フリーズロックとは、SSDが起動時に自動でかける保護機能で、不正なデータ消去やファームウェア操作を防止するためのものです。
この機能が有効になっていると、Secure Eraseなどの消去コマンドが失敗してしまうことがあります。

そのため、データ消去コマンドを実行する前に、フリーズロックを一時的に解除する必要があります。なお、フリーズロックはPC起動と同時に作動するため、BIOSからの解除が求められます。

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SSDのデータ消去はどうすればいい?データ消去の方法3選

SSDによるデータ消去は、おもに以下の3つの方法に分類されます。

  1. ソフトウェアによるデータ消去
  2. 物理破壊によるデータ消去
  3. コマンドによるデータ消去

それぞれの特徴は、以下の表のとおりです。

 ソフトウェア物理破壊コマンド
準備物消去ソフトクラッシャーなどなし
コスト小(数千円~)大(数万円)なし
労力中(BIOS操作あり)
1台あたりの時間数時間数分数十分~数時間
操作難易度易しいやや難しい
再利用×
消去の確実性

3つの方法の具体的な特徴や、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

1.ソフトウェアによるデータ消去

まずは、専用ソフトウェアを用いたデータ消去方法です。
不要なデータの複数回上書きにより、過去のデータを復元できなくします。

メリットは、以下のとおりです。

・ストレージの再利用が可能
・準備物がソフトウェアのみであり低コスト
・労力がかからない
・操作ガイドラインが整備されており、初心者でも扱いやすい

一方でデメリットは以下のとおりです。

・時間がかかる
・操作ミスなどによる消去漏れのリスク
・ソフトでアクセスできない領域にデータが残るリスク
・操作性やデータ消去の完全性は、ソフトによって異なる

ソフトウェアは市販されていますが、専門業者はより信頼性の高いツールにより、データ消去を行っています。
不安がある場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。

2.物理破壊によるデータ消去

物理破壊は専用のクラッシャーで、SSD基盤を破壊します。
確実なデータ消去のため、2ミリ以下に裁断可能なクラッシャーの利用が一般的です。基盤を細かくするため、情報回収が極めて困難となります。

メリットは、以下のとおりです。

・最も確実にデータ消去ができる

一方でデメリットは以下のとおりです。

・労力やコストが大きい
・クラッシャーなど専用器具が必要
・ストレージの再利用ができない


機密性の高いデータの場合は、物理破壊が有力な選択肢となります。

3.コマンドによるデータ消去

最後に、SSDに備えられているコマンドによりデータ消去が可能です。

代表的なコマンドは「Secure Eraseコマンド」であり、ストレージ全体を一括消去します。
コマンドによる消去により単純な上書きでは消せない領域にも対応できるため、廃棄時の完全消去に有効です。

メリットは、以下のとおりです。

・ストレージの再利用が可能
・コマンド実行のみで完結し、コストがかからない
・ソフトウェアに比べて確実性が高い

一方でデメリットは以下のとおりです。

・人為ミスなどによる消去漏れのリスク
・BIOSからフリーズロックの解除が必要で、扱いが難しい

操作に不安がある場合は、専門業者への相談をオススメします。

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SSDのデータ消去は難しい!困った場合は、専門業者に相談を

SSDは、以下の3つの方法でデータ消去が可能です。

  1. ソフトウェアによるデータ消去
  2. 物理破壊によるデータ消去
  3. コマンドによるデータ消去

しかし、いずれの方法もHDDに比べてハードルが高く、知識がない状態での実施はリスクが伴います。
SSDのデータ消去に自信がない場合は、専門業者への外注を検討しましょう。

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